医療機関で発砲事件
埼玉県戸田市にある「戸田中央総合病院」で発砲事件があり受診に来ていた患者さん1名と医師1名がけがをしました。毎月レセプト点検を実施している病院です。レセプトさとう合同会社を立ち上げる前は戸田中央総合病院グループ(TMGと言います)の本部に勤務していたので、新聞やWEBニュースに掲載されている写真を見ればどこから撮影されたのかすぐわかります。事件の詳細はこれから明らかになるでしょうが、怪我をされたお二人と待合室にいらっしゃった患者さんや病院関係者の心情を思うとやるせなくなります。さぞ怖かったでしょう。そんな中、院内放送などで患者さんを安全に誘導したなどの報道があり、冷静に対応したことに賞賛の気持ちを送りたいと思います。
病院には特定多数の方々がいらっしゃいます。他に郵便局(今回犯人は立てこもり事件を起こしています)、銀行なども同様で、このような卑劣な事件を未然に防ぐことは困難を極めるでしょう。犯人は拳銃と刃物を持参していたということなので、病院入口に金属探知機を設置するなど対策を検討しているところがあるかもしれません。以前、関係病院の壁に重機で穴をあけ、金庫ごと持ち去った事件がありました。大きなニュースになったので、それ以降金庫にセンサーを設置したり刺股を用意しているところもあると思います。様々な凶悪犯罪が起こっている昨今、一人一人が気を付けても防げないことがあります。私もレセプト点検で新幹線などの長距離移動をしているので、危機管理について考える必要があると強く思いました。
2023年10月実績報告
レセプト点検件数 726件
延点検時間 49時間
移動距離合計 2,804㎞
移動時間合計 29時間
レセプト点検に訪問した医療機関
1都3県 8病院 7日
*東京都2病院、埼玉県4病院、兵庫県1病院、茨城県1病院。
その他の業務
*病院勉強会 1回 愛知県1病院
*算定講習会、DPCコーディング講習会 各1回
乗車した路線
*西武池袋線、西武新宿線、西武バス、西武有楽町線、地下鉄副都心線、埼京線、東武東上線、
東海道新幹線、東海道本線、常磐線、山手線、大江戸線、東京モノレール、スカイマーク、
ポートライナー。
乗降駅、乗換駅
*練馬、所沢、小平、一橋病院前、池袋、戸田公園、小竹向原、志木、朝霞台、田無、刈谷、
品川、名古屋、戸塚、上野、石岡、大門、浜松町、羽田第1ターミナル、神戸空港、市民広場、
医療センター。
おすすめの食べ物(移動の楽しみは食事と甘いもの)
【チョコレート】
レセプト点検の合間のもぐもぐタイムはやっぱりチョコレート。キットカット、ダース、
アルフォート、LOOKなどなど。心と体の休息になります。
指摘3選
1.アルブミン注 輸血管理料を算定しましたか
アルブミン注の投与はありますか。コーディングデータを確認してください。
ⅠとⅡがありますがどちらの届出をしていますか。
届出は別の部署が担当しているので施設基準の内容まで把握していません。
施設基準の届出はレセプト算定項目や件数と密接な関係があるので、
新規届出や変更の時に聞かれていると思います。知っておくのがいでしょうね。
アルブミン製剤の適応
「低アルブミン血症」とすることが多いと思いますが、
厚労省から「血液製剤の使用指針」が出ています。
その中に適正使用と不適切使用という項目があります。
詳細はホームページを参照してください。34ページ以降の項目のみ記載します。
*適正使用
1) 出血性ショック
2) 敗血症
3) 人工心肺を使用する心臓手術
4) 肝硬変に伴う難治性腹水に対する治療
5) 難治性の浮腫,肺水腫を伴うネフローゼ症候群
6) 循環動態が不安定な体外循環実施時
7) 凝固因子の補充を必要としない治療的血漿交換療法
8) 重症熱傷
9) 低タンパク血症に起因する肺水腫あるいは著明な浮腫が認められる場合
10) 循環血漿量の著明な減少を伴う急性膵炎など
11) 妊娠高血圧症候群
12) 他の血漿増量剤が適応とならない病態
*不適切使用
1) タンパク質源としての栄養補給
2)脳虚血(頭部外傷)
3) 炎症性腸疾患
4) 周術期の循環動態の安定した低アルブミン血症
5) 単なる血清アルブミン濃度の維持
6) 終末期患者への投与
【詳記やコメント記載の留意点】
「経口摂取困難でアルブミン値低下のためアルブミン製剤投与」と記載すると
不適切使用の1)5)と判断される可能性があるので注意しましょう。
→対応 アルブミン値と適正使用の該当項目を記載しましょう。
投与理由を診療録に記載することが重要です。
【記載例】
肝硬変による腹水が多量に貯留し利尿剤投与で効果がなく、アルブミンを3日間投与した。
その結果除水効果により呼吸困難や嘔気など症状が改善した。
2.ユニタルク胸膜腔内注入用はどこに注入しますか
静脈内に注入したのでしょうか。
胸腔内に注入したのではないでしょうか。
胸腔穿刺(洗浄、注入及び排液を含む)220点と記載されています。
この場合薬剤注入の目的は胸膜の癒着です。
ピシバニールを注入することもあります。
注射料よりだいぶ点数が高いですね。
薬剤名と傷病名からオーダー取り込み時に注意します。
3. DPC 脳皮質下出血 抗生剤長期投与理由は?
010040被殻下出血のコーディングです。入院22日中10日間抗生剤投与があり、
喀痰培養が陽性です。胸部単純撮影を5回撮影しているので肺炎は無いでしょうか。
体温38度、膿性痰、断続性副雑音とあり急性肺炎の診断がありました。
感染性疾患があると考えるとよかったですね。
DPCになってから傷病名の点検が少しおろそかになりましたね。
直接査定につながらないので。
点検時「副傷病なし」のレセプトが出てきたら抗生剤投与と培養の有無を確認するといいですね。私はそうしています。
その点数UP分が抗生剤費用の回収になります。
次回は11月上旬を予定しています。