猛暑時々大雨
最寄駅から病院までの移動は徒歩なのでこの時期大変です。多くの病院は途中に日影が少ないので日傘と汗拭きシート頼りです。しかし、準備して待っていただいている人がいてレセプトがあればどこへでも!の気持ちで訪問しています。病院に入ると冷房が効いているので、しばらく息を整え点検開始です。現在関係している病院は長くなりましたので、点検中に質問されることもあり短い時間ですが交流を深めています。8時間くらい黙って点検しているので短いトークが新鮮です。レセプト点検や皆様とのやり取りで気が付くことやいただける知識があるので、これからもよろしくお願いします。
救急医療管理加算
救急医療管理加算は急性期病棟ではとても大きな点数です。従来該当項目は「ア~シ」の12項目でしたが、今回の改定で「一~十三(なぜ漢数字なのでしょうね)」に分類され1項目増えました。さらに大きな改定として6月~11月の間に救急医療管理加算2を算定した患者のうち「十三その他の重篤な状態」の患者の割合が5割以上の場合、救急医療管理加算1・2とも210点に大きく減額されます。
多くのレセプト点検から13に該当するものに「ラクナ梗塞」があります。脳血管疾患なので必ず意識レベルを確認します。意識レベルJCSはⅠ-1~Ⅲ-300まで9段階に分かれていて「3-3-9度方式」と言われることもありますが、ラクナ梗塞は意識レベルが0の場合もあります。レベル1~レベル300は救急医療管理加算「2意識障害又は昏睡」に該当しますが、JCS0の場合は「緊急入院を必要とした判断した医学的根拠」をレセプト摘要欄に記載することで要件に該当すると判断されます。JCSの内容は下表を参考にしてください。「1 だいたい意識清明だが、今ひとつはっきりしない」より清明に近い状態で緊急入院を必要とした判断した医学的根拠を証明するには「感覚障害、構音障害あり入院加療を必要とした」などコメントを補足しましょう。JCSは刺激に対する開眼や動作、会話の成立でスコアが決まります。
Ⅲ 刺激しても覚醒しない 300 全く動かない 200 手足を少し動かしたり顔をしかめたりする(除脳硬直を含む) 100 はらいのける動作をする Ⅱ 刺激すると覚醒する 30 痛み刺激で辛うじて開眼する 20 大きな声、または体をゆさぶることにより開眼する 10 呼びかけで容易に開眼する Ⅰ 覚醒している 3 名前、生年月日がいえない 2 見当識障害あり 1 だいたい意識清明だが、今ひとつはっきりしない |
2024年7月実績報告
レセプト点検件数 617件
延点検時間 35時間
移動距離合計 1,488㎞
移動時間合計 15時間
レセプト点検・適時調査支援に訪問した医療機関
4県 8病院 7日間
*埼玉県4病院 神奈川県1病院 愛知県1病院、兵庫県2病院
その他の業務
*出来高算定講習会、DPCコーディング講習会 各1回
*打合せ1回、WEB会議
乗車した路線
*西武池袋線、西武新宿線、西武有楽町線、地下鉄有楽町線、埼京線、東武東上線、
東海道新幹線、東海道本線、湘南新宿ライン、京浜急行、山陽新幹線、地下鉄西神山手線。
JR神戸線、ポートライナー。
乗降駅、乗換駅
*練馬、所沢、池袋、戸田公園、小竹向原、志木、朝霞台、田無、品川、名古屋、刈谷、新神戸、
三ノ宮、神戸、兵庫、市民広場、医療センター。
移動の楽しみは食事と甘いもの、たまに観光
【神戸コロッケと咲花】
宿泊出張で困るものに食事があります。特に夜ごはんに困ります。病院から最寄り駅、ホテルから最寄り駅の途中にあるお店には入りやすいですが、混んでいることがありなかなかドアを開けることができません。そんな理由でテイクアウトでホテルで食べることが多いのですが、おすすめにPLICO神戸の中にある総菜の「咲菜」(読み方わかりません)と神戸駅改札前の「神戸コロッケ JR神戸駅店」があります。咲菜でご飯と惣菜を買って最後に神戸コロッケを一つ二つ。
袋を下げて神戸ホテルジュラクに戻り個室ディナーを楽しんでいます。おかずの買いすぎを抑えられないことがありますが、カロリーは最寄駅から病院の徒歩移動とレセプト点検中のスロースクワットで少し解消します。
指摘3選
1.全身麻酔下で行った創傷処理、筋肉臓器に達しない、5㎝未満?
下肢難治性皮膚潰瘍の患者さんに全身麻酔40分で創傷処理を実施し、
筋肉臓器に達しないもの5㎝以上10㎝未満の960点を算定しています。
部位から創傷の長径はもう少し長いような気がします。
深さも確認しましょう。カルテの記載は?
確認します。「皮下組織を少量剥離し、表皮縫合での緊張解除」とあります。
潰瘍の部位は右外果から上に15㎝と記載があるので10㎝以上に該当し、1,480点ですね
皮下組織までの縫合なら筋肉臓器に達しないということですね。
緊張解除というのは瘢痕があったのでしょうか。
瘢痕についての記載はないです。
瘢痕拘縮改善の手術にはK002デブリードマン、K010瘢痕拘縮形成手術
などもあるので全身麻酔下で皮膚の手術を行ったときは術式を医師に確認してください。
皮膚・皮下の手術は通常局所麻酔で行いますからね。
医師にもう一度確認します。全身麻酔の皮膚手術に要注意ですね。
難治性皮膚潰瘍という傷病名にも注意が必要です。
2.骨髄像 検体採取は?
骨髄像の検査がありますが検体採取料がないですね。
オーダーがマルクなので算定しました。
骨髄像はD00514の検査で血液形態・機能検査に分類されている
「検体検査」なので検体採取料が算定できます。D404骨髄穿刺が算定可能です。
穿刺した部位で点数が異なりますので注意が必要です。
あまり行われない検査なのでうっかりしていました。
肝機能検査と聞いたら採血と直結しますね。普段から聞きなれているからです。
特殊検査の場合検体採取料の算定もれがあるかもしれないので覚えておきましょう。
血液検査は静脈採取と頭に入っているんですが…
血液以外の検体検査の時に算定もれにつながります。
関節液検査、髄液検査など注意が必要です。
マルクは骨髄像と覚えていて骨髄採取をうっかり、
ルンバ―ルは腰椎穿刺を算定し肝心の髄液検査の算定もれがあります。
院内で話される医療用語と算定は少し違うので、しっかりとした知識にしてください。
3. DPC 010310気脳症 原因は何ですか?
気脳症にコーディングですが入院時併存症に前額部挫創、頭蓋底骨折があります。
気脳症の原因は頭蓋底骨折ではないでしょうか。
医師の問題リストに1頭蓋底骨折、2気脳症、3髄膜炎疑いと記載されています。
医師の問題リストと脳血管リハの適応症が頭蓋底骨折なので頭蓋底骨折に
コーディングできないでしょうか。医療資源を考えてみましょう。
コーディングデータで点数が高いのは画像診断とリハビリです。
検査は髄液検査が特徴的ですが他は一般的な検査です。
点滴はグリセオールが2日、止血剤なし、あとは通常の補液です。
医療資源は気脳症と言うより頭蓋底骨折でいいと思います。
15日入院なので気脳症010310は41,980点、頭蓋底骨折160100は43,906点なので
コーディングを変更すると1,926点増点します。医師と相談します。
コーディングの時は原因と結果のどちらの疾患の治療か、
二重分類の時は剣印と星印のどちらの治療か確認することで
ロスのない適正なコーディングができます。
今回はだいぶ遅くなってしまいました。月末月初に遠距離点検があると遅くなりがちです。8月下旬と9月上旬に名古屋神戸と東京の反復点検があるので、次回予定は9月8日前後になると思います。
8月4週目に11回目の富士登山を予定していて、現在自重筋トレ中です。また7月下旬から高尾山、御岳山、武甲山でトレーニング登山を行いました。あとは天気だけ、元気に登山下山してきます。
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