もう12月
2024年も残すところ3週間になりました。能登半島の大きな地震からもうすぐ1年ですが、
復興はどの程度進んでいるでしょうか。地元の方々にしか実感はできないので、ニュースで
状況を知るしか方法はありません。
東北大震災で被災した体験では土地や家屋の復興はもちろん、精神的な復興にも多くの時間を
有します。能登半島は台風被害も重なったのでなおさら大変だと思います。
遠くから支援するには義援金やふるさと納税などになりますが、ささやかでも応援ます。
国民の休日
12月恒例の情報提供です。12月29日から31日は国民の休日です。
今年は29日が日曜日なので、30日、31日に診療をしているところは時間による加算の
算定もれに注意してください。
30日、31日に時間外加算はなく、休日加算か深夜加算になります。
下の算定例は30日に8時30分から12時まで診療している医療機関に緊急受診した例です。
30日は通常出勤するので8時前と12時以降は時間外と思ってしまいがちですが休日扱いです。
外来透析の「時間外・休日加算」と入院で緊急処置や緊急手術を行ったときは
休日加算か深夜加算になります。これらの算定もれが多くあります。
(例1)外来透析 月水金実施の場合の12月の算定 ㊟今年は火木土実施も同じです
慢性維持透析1 4時間 2,036点×12
慢性維持透析1 4時間、時間外・休日加算 2,176×1
(例2)30日10時、入院中の患者さんが転倒し前額部挫創のため創傷処理実施
筋肉臓器に達しない、長径3㎝ 954点(530点×1.8 休日加算2)
*10時は外来診療では時間内ですが、入院は緊急の場合休日扱いです
(例3)30日14時、急性心筋梗塞入院中の患者さんが心停止 カウンターショック実施
カウンターショック 9,800点(3,500点×2.6 休日加算1)
(例4)30日 くも膜下出血で救急搬送された初診患者、緊急クリッピング
初診料・休日加算 541点
脳動脈瘤頚部クリッピング1か所 205,326点(114,070点×1.8 休日加算2)
閉鎖循環式全身麻酔5時間 17,280点(9,600点×1.8 休日加算2)
0時 6時 | 8時 | 12時 | 22時 | 24時 |
深夜加算 | 休日加算 | 時間内 (入院緊急治療は 休日加算) | 休日加算 | 深夜加算 |
2024年11月実績報告
レセプト点検件数 686件
延点検時間 42時間
移動距離合計 1,588㎞
移動時間合計 21時間
レセプト点検・適時調査支援に訪問した医療機関
1都4県 7病院 6日間
*東京都2病院、埼玉県2病院、神奈川県1病院、愛知県1病院、兵庫県1病院
その他の業務
*出来高算定リーダー養成講座、DPCコーディングスキルアップ講座 各1回
乗車した路線
*西武池袋線、西武有楽町線、東武東上線、埼京線、山手線、東京メトロ副都心線、
湘南新宿ライン、東急池上線、東海道新幹線、山陽新幹線、神戸地下鉄西神山手線、
ポートライナー、東海道本線。
乗降駅、乗換駅
*練馬、池袋、戸田公園、小竹向原、朝霞台、戸塚、田園調布、品川、五反田、
池上、名古屋、刈谷、新神戸、三宮、三ノ宮、みなとじま、医療センター。
移動の楽しみは食事と甘いもの、たまに観光
【新幹線の車窓】
東海道新幹線に乗る楽しみの一つは車窓の景色です。下りは進行方向に向かって右の
E席に乗ることが多いですが、富士山はもちろん最大の楽しみで、そのほかに河川をよく見ます。
静岡の大井川、天竜川。愛知の矢作川、木曽川、長良川、甲斐川。京都に行くと桂川が楽しみで
「夕闇の桂川~♫」と心の中で一節唸りながら渡ります。
知ってる人はおそらく前期高齢者ですね。
指摘3選
1.パーキンソン病ヤールⅣ COVID-19疑似症100点算定の場合
パーキンソン病ヤールⅣの患者さんが誤嚥性肺炎で緊急入院し、
入院時にPCR実施、酸素吸入3ℓ開始。
そのため特定感染症入院医療管理加算・疑似症100点算定しています。
疑似症の算定要件はあると思いますが、この場合は算定不可です。
何故でしょうか
パーキンソン病ヤールⅣに対しA210難病患者等入院診療加算250点を
連日算定していますね。
難入とA209特定感染症入院医療管理加算・疑似症は併算定できできないと
定められているからです。早見表の121㌻を見てください。
ページ開きました
121㌻左(4)に併算定できないと明記されていますね。
本当ですね。見落としていました。
「併せて算定できない」とあるので
どちらかを算定できるということですか?
そうです。こういう表現が所々にありますが、
どちらを算定すればいいかわかりますね。
点数の高い方を算定するのですね。
そうです。診療報酬の基本は「低い点数は高い点数に含まれる」
というものです。
特定感染症で個室管理をしたときはどうなりますか?
その場合はA220-2特定感染症患者療養環境特別加算が算定できます。
個室加算300点とその個室が陰圧機能があれば陰圧室加算200点を併せて
算定出来ます。A220-2と難入は併算定できないと記載がないので算定できます。
疑似症でも算定できます。
そうすると疑似症で個室管理をしたときは、難入250点と
特定感染症患者療養環境特別加算・個室加算300点が
算定できるということですね。
2.救急医療管理加算の算定と食事の有無は密接 +入院経路
尿路感染症で緊急入院した60代の患者さんです。
実日数15日で食数が32食ですので入院当初禁食管理していました。
救急医療管理加算の算定がありませんが算定できないでしょうか。
入院時のバイタルはどうなってますか。体温と血圧を教えてください。
体温38℃、血圧110/60です
全身症状の記載はありますか?虚脱など。
全身虚脱とあります
食事の指示は禁食ですね
そうです
入院経路はどうですか
入院経路というと…
何を見ればいいですか
入院経路は外来などから病棟に移動する方法を指します。
独歩、護送、担送があります。
admission on chairと記載がありますが関係ありますか
車いすで入院したということなので護送ですね。
独歩できない状態で重症の証明の一つです。
入院2日目の補液量が2,000mlなので脱水状態だと思います。
BUNはいくらですか。
BUNは30です
それなら脱水を示しているので禁食、護送と合わせ
脱水のため救急医療管理加算が算定できると思います。
診断名だけでなく入院経路や禁食の有無で
判断する必要があるということですね。
3. DPC 神経調節性失神 → 脳梗塞疑いや一過性脳虚血発作疑いも検討
入院契機が失神、入院時併存症に頭部打撲がありCT1回と
MRI2回撮影しています。
3日でMRIが2回実施なので脳梗塞の疑いが強かったと思います。
脳梗塞の疑いにコーディングできるのではないでしょうか。
入院時の問題リストにCIs/oとあります。
70歳という年齢から「脳梗塞疑い」でいいかもしれませんね。
JCSの記載はありますか。
処置や手術もないので入院後失神の原因検索を行い
MRIが2回となったのでしょう。医療資源は画像診断になりますね。
医師に確認し脳梗塞の疑いにします。
3日入院なので神経調節性失神は10,545点
脳梗塞疑いは11,561点なので増点しますね。
TIA疑いだと11,772点なので、
失神で入院した時は医療資源やカルテ記載を確認し
医師と相談しましょう。失神の原因は様々なので。
わかりました。今後の参考にします。
11月26日から12月9日までレセプト点検が断続的に続き、疲れからか珍しく
風邪をひいてしまいました。葛根湯を飲みながら記事書いています。
急に気温が下がってきたので風邪気味の方が多いと思います。電車の中で
鼻をかんだりくしゃみをしている人が結構います。
睡眠、栄養、水分が重要なので皆様も自己管理と手洗いうがいを励行し
風邪の時期を過ごしましょう。
今年1年お世話になりました。give&takeの関係を持つことができたと思います。
来年もよろしくお願いします。次回は1月10日頃を予定しています。
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