10月の巡礼が終わりました。点検病院は8か所で移動距離は短めでした。朝の新幹線は月を追うごとに乗客が増えているように思います。
上越新幹線新潟行きの全車両2階建て「MAXとき号」が10月1日にラストランを迎えました。人気の車両だったようです。
レセプト点検は月1回なので季節の変化がわかります。東海道新幹線は横に移動するので東京と大阪や神戸は同じような気候ですが、上越新幹線は縦移動なので、大宮駅から乗車し越後湯沢駅で降りると空気がかなり冷たく感じ、乗り換えた「ほくほく線」の車窓から山々の冠雪を見ることができました。来月は雪かもしれませんね。
レセプト件数 665件
点検時間 35時間
移動距離合計 1,883㎞
移動時間合計 23時間
訪問した医療機関
1都4県 8病院 6日間
*東京都、埼玉県、神奈川県、兵庫県、新潟県
乗車した路線
*西武池袋線、西武新宿線、西武多摩湖線、西武有楽町線、東武東上線、埼京線、副都心線、
東横線、横浜線、東海道新幹線、山陽新幹線、神戸市営地下鉄西神・山手線、
神戸市営地下鉄海岸線、上越新幹線、北陸鉄道ほくほく線、湘南新宿ライン。
こんな指摘をしました 1 硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入
「L003硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入」80点
を術後2日目に算定していますが、手術翌日も算定できるのではないでしょうか。
エピドラですね。手術翌日に麻酔薬の投与がなく
2日目に投与していたのでその時に算定しました。
エピドラ時の薬剤は1分当り微量に滴下するので、
毎日薬剤のボトルを交換する必要がない場合もありますよ。
オーダリングで薬剤投与がある日に算定すると思っていました。
1分当りの滴下速度を3mlに仮定すると、
100mlのボトル使用の場合、交換するのは33時間後なので、
交換しない日があります。
交換しなくても薬剤の持続注入は続いているので算定できます。
いつまで算定できるのでしょうか?
薬剤を滴下している間算定できます。
エピドラチューブを抜去する日まで滴下は続くと思います。
診療録、看護記録、経過表などに記載があるので確認してください。
【算定の留意点】
硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入の精密注入加算80点は
PCA装置を使用したときは算定できません。
「特定保険医療材料019」の説明欄に記載があるので確認してください。
こんな指摘をしました 2 腔内注入及び穿刺注入・その他
左水腎症のため腎瘻を造設した患者さん。
順行性腎盂造影を実施しているので
「E003 6腔内注入及び穿刺注入・その他 ロ」120点が算定できます。
腔内注入とはどのようなものでしょうか。
腎瘻や膀胱瘻、マーゲンチューブ、イレウス用ロングチューブなどに
造影剤を注入し撮影するときに算定できる造影剤注入手技料です。
通常、造影剤撮影の時は血管内に造影剤を注入しますが、
それ以外に注入するときの手技料です。
注腸造影の時に300点を算定していませんか。
注腸造影の入力はセットで組んであり、その中に300点が入っています。
その300点も腔内注入及び穿刺注入で、注腸は6のイに該当します。
胃瘻造影の時も算定できますか?
以前、ある病院で査定されたことがありました。
もっとも5年以上前なので算定してもいいかもしれませんね。
造影剤注入手技は実際の手技と観察を要することの対価だと思っています。
腎盂造影には逆行性と順行性があります。
逆行、順行とは体液の流れ(この場合は排尿です)と
造影剤を注入する部位にアクセスするときの方向を指します。
逆行性は排尿の出口の尿道口からアクセスするので逆行になり、
注入手技は「5のロ 尿管カテーテル法(両側)」です。
逆行性腎盂造影の略語は「RP」です。
点滴で注入し撮影するものを「点滴注入腎盂造影法 DIP」と言います。
いろいろあるのですね。オーダリングで拾えないものだと思うので
造影剤撮影を入力するときは確認が必要ですね。
はい、ひと手間けるのが正しい算定の秘訣です。
腎瘻部が感染し消毒を行えば、創傷処置ではなくストーマ処置です。
腎瘻チューブを交換したときはJ043-5尿路ストーマカテーテル交換法です。
その場合ストーマ処置は算定できないので注意してください。
ストーマの種類 |
こんな指摘をしました。 3 DPCコーディング変更 急性腸炎 → 非感染性腸炎
DPCコーディング:急性腸炎 060380xxxxx00x
レセプト摘要欄に「海鮮丼を食べて症状出現」と記載があります。
非感染性腸炎060130xx9900xxに該当しないでしょうか。
どちらも急性腸炎ではないですか。
腸炎のコーディングは3つあります。原因により分類されています。
治療は補液が中心ですが、細菌性腸炎の場合、抗生剤の点滴を行います。
コーディング | 原因 | |
①急性腸炎 | 060380 | ウイルス感染 |
②細菌性腸炎 | 060390 | 細菌感染 |
③非感染性腸炎 | 060130 | 飲みすぎ、食べ過ぎ、寝冷えなど |
外来は抗生剤を投与してもしなくても急性腸炎で査定されることはないと思いますが、
DPC算定では注意が必要です。手術・処置なしで入院7日間の点数を比較すると次の通りです。
①14,829点 ②17,374点 ③17,130点 (参考:食中毒161070 15,887点)
外来の時は「急性腸炎」や「感染性腸炎」と
病名が付いていました。
DPC的に考える必要があるのですね。
しかも点数に違いがありますね。
抗生剤を点滴したときは細菌性腸炎じゃないと、
医療資源を回収できないような感じですね。
そうですね。外来とDPCでは算定の考え方がだいぶ異なるので、
切り替える必要がありますね。
そこがDPCの面白さであり、難しさでもあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。次回をお楽しみに。