パーキンソン病 (perkinson’s disease:PD)
パーキンソン病はICD G20、MDC分類01からわかるように、神経疾患の一つです。1817年、ジェームズ・パーキンソン医師が初めて報告したため、パーキンソン病と名付けられました。好発年齢は50代で、原因不明の進行性変性疾患です。難病に指定されています。(指定難病6)
パーキンソン症候群は症状が似ていますが別の疾患です。
【症状】
代表的な4つの症状があります。
振戦(静止時の手足の震え)、固縮(筋肉のこわばり)、無動(動きが遅くなる)、姿勢保持困難(バランスがとりづらくなる)の4つです。その結果歩行障害(こきざみ歩行、すくみ足、歩行速度低下など)が出現し、転倒しやすいという特徴があります。この代表的な症状を「パーキンソン病の4徴候(4主徴)」といいます。また「パーキンソニズム」と表現します。
ときに舌運動の機能低下のため嚥下障害をきたし誤嚥性肺炎を発症することがあります。DPC分類「010160・パーキンソン病」の定義副傷病に「誤嚥性肺炎」があるのは症例が多いということです。
その他に、便秘、頻尿、易疲労感、流涎(りゅうぜん)、むずむず脚症候群、起立性低血圧、無関心、うつ、せん妄などがあります。
パーキンソン病の重症度分類に「 ホーエン・ヤールの重症度分類 」があります。ホーエン・ヤール重症度分類3度以上かつ生活機能障害度2度以上の場合、難病認定の診断基準を満たすので、患者様や家族の方に難病申請についてお知らせしてください。
*記載に当たり難病情報センター日本神経学会の記事を参考にさせていただきました。
/ホーエン・ヤールの重症度分類と生活機能障害度
難病情報センターの重症度分類
0度 パーキンソニズムなし 1度 一側性パーキンソニズム 2度 両側性パーキンソニズム 3度 軽~中等度パーキンソニズム。姿勢反射障害あり。日常生活に介助不要 4度 高度障害を示すが、歩行は介助なしにどうにか可能 5度 介助なしにはベッド又は車椅子生活 |
生活機能障害度
1度 日常生活、通院にほとんど介助を要しない。 2度 日常生活、通院に部分的介助を要する。 3度 日常生活に全面的介助を要し、独立では歩行起立不能。 |
【診療報酬算定】
「ホーエン・ヤール重症度分類3度以上かつ生活機能障害度2度以上」の場合 、次の診療報酬を算定することができます。
- A101療養病棟入院基本料・医療区分2
- A206在宅患者緊急入院診療加算1(許可病床数400床以上の在宅療養後方支援病院)
- A210難病患者等入院診療加算
- B0018難病外来指導管理料(ヤール分類、生活機能障害度は不問)
【目標】「パーキンソン病」と診断されたときはヤール分類を確認する。